いつも通り適当に決算発表銘柄を流し見しててクロスプラスの内容を見た瞬間、目を疑った。
え!?何があったん?それぐらいインパクトのある内容でした。
結論から話すと、業績不振のアパレルメーカーがファッションマスクを開発し、爆発的なヒット商品を生み出しました。
今回の決算で業績不振のアパレルメーカーからファッションマスクメーカーの先駆者とも言える企業に評価が刷新されました。
目次
会社概要
時価総額
62.1億円(2020年12月11日時点)
市場
東証2部
筆頭株主
取締役副会長:辻村隆幸
事業内容
衣料品・服飾雑貨全般の企画製造、専門店・店舗・ECなどへの卸売及び百貨店等での小売
業績について
売上高
粗利
販管費
営業利益率
業績面での注目ポイント
2Q時点で、売上高が急に伸びていたが、3Qで特に驚いたのは粗利率が過去最高水準、販管費も抑制、営業利益率が急激に好転していた。
そして、この上方修正発表、、、
売上高の修正もGoodポイントだが、利益面の大幅修正はGoodどころではない。
何かあったに違いないと私のセンサーがビンビンに反応した。
この数字通りに株価が推移するなら現状の株価はとんでもなく割安ということになる
クロスプラスに何が起こったのか?
コロナの影響
2021年度1Q決算時点(2月1日~4月30日)
アパレル事業活動が影響を受け
売上高は前年同期比で22.2%減と明らかな業績悪化
新規でマスク販売を開始したが、生産の遅れや店舗自体の休業で軌道に乗らず
2021年度2Q決算時点(5月1日~7月31日)
1Qと同じくアパレル事業活動が影響を受けている状況は続く。
1Qから取り組み始めたファッションマスクやウィズコロナ関連商品の開発及び販売が伸長したが、売上高成長プラスになるほどには業績伸びなかった。
2021年度3Q決算時点(8月1日~10月31日)
1Qと同じくアパレル事業活動が影響を受けている状況は続く。
ファッションマスクのパステルマスクが大ヒットし、売上高・利益面共に大幅に伸長する。
ビジネス区分別売上高推移
専門店・量販店・EC向け事業がパステルマスクにより大幅に伸長していることが分かる。
コロナ影響で通常事業の業績が悪化する中、素早く対コロナ事業を発足しアクションを起こしたことが素晴らしいですね。
パステルマスク
パステルマスクって何?
種類と値段と仕様
パステルマスク特設サイト
レギュラー・スモール・キッズ・ラージの4サイズ
13カラー
3枚入りで税込み858円
1枚当たり286円
※洗濯回数は10回で交換奨励
時系列毎ニュース
2020年5月
パステルマスク販売開始
2020年9月
パステルマスク特設サイト開設
2020年10月
パステルマスク累計販売4,000万枚突破
(5月~10月1日)
情報ソース
全国の「イオン」・「イオンスタイル」はじめ、量販店・ホームセンター・ドラッグストア、ECサイトを中心に販売し、全国的に品薄が続いている。
2020年12月
パステルマスク累計販売6,000万枚突破
(5月~12月上旬)
ニュースは12月11日発表
情報ソース
パステルマスクが業績に与える影響
パステルマスクの売れ行きペース
5月~10月1日
週換算で20週
10月1日~12月11日
週換算で10週
20週で4,000万枚
20週+10週で6,000万枚
1週間で200万枚ペースで売れていると憶測出来る。
2020年3Qと2021年3Qを比較(売上高)
マスク単体売上高(2021年3Q)
= 1週当たりマスク売上枚数 × 12週 × 1枚当たりのマスク金額
= 200万枚/週 × 12週 × 286円/枚
= 68.64億円
総合売上高(2021年3Q)
197.15億円
マスク抜き売上高(2021年3Q)
128.51億円
売上高(2020年3Q)
160.6億円
2020年3Qと2021年3Qを比較(粗利)
粗利率(2020年3Q)
23.8%
総合粗利(2021年3Q)
53.82億円
マスク抜き粗利(2021年3Q)
= マスク抜き売上高(2021年3Q) × 粗利率(2020年3Q)
= 128.51 × 0.238
= 30.59億円
マスク単体粗利(2021年3Q)
= 総合粗利(2021年3Q) - マスク抜き粗利(2021年3Q)
= 53.82億円 - 30.59億円
= 23.23億円
マスク単体粗利率(2021年3Q)
= マスク単体粗利(2021年3Q) ÷ マスク単体売上高(2021年3Q) × 100
= 23.23億円 ÷ 68.64億円 × 100
= 33.84%
2020年3Qと2021年3Qを比較(販管費)
販管費率(2020年3Q)
19.6%
総合販管費(2021年3Q)
34.32億円
マスク抜き販管費(2021年3Q)
= マスク抜き売上高(2021年3Q) × 販管費率(2020年3Q)
= 128.51 × 0.196
= 25.19億円
マスク単体販管費(2021年3Q)
= 総合販管費(2021年3Q) - マスク抜き販管費(2021年3Q)
= 34.32億円 - 25.19億円
= 9.13億円
マスク単体販管費率(2021年3Q)
= マスク単体販管費(2021年3Q) ÷ マスク単体売上高(2021年3Q) × 100
= 9.13億円 ÷ 68.64億円 × 100
= 13.3%
2020年3Qと2021年3Qを比較(営業利益)
マスク単体営業利益(2021年3Q)
= マスク単体粗利(2021年3Q) - マスク単体販管費(2021年3Q)
= 23.23億円 - 9.13億円
= 14.1億円
マスク単体営業利益(2021年3Q)
= マスク単体営業利益(2021年3Q) ÷ マスク単体売上高(2021年3Q) × 100
= 20.54%
マスク単体まとめ(四半期毎)
売上高:68.64億円
粗利:23.23億円
販管費:9.13億円
営業利益:14.1億円
粗利率:33.84%
販管費率:13.3%
営業利益率:20.54%
おおよそこれぐらいの数字がマスク分で上乗せ加算していくと見て良さそうです。
※マスク事業という単独セグメントの業績開示は無いので、去年との比較で大雑把に算出してます。
先の業績予測
2021年4Qと上方修正
各期別の売上高比率(マスク抜き)は2018年~2019年実績平均で
1Q : 24.6%
2Q : 21.7%
3Q : 28.1%
4Q : 25.7%
仮にマスク以外の売上高成長率がゼロだと仮定すると
総合売上高(2021年4Q)
= マスク抜き売上高(2021年3Q) ÷ 3Q売上比率 × 4Q売上比率 + マスク単体売上高
= 128.51億円 ÷ 28.1% × 25.7% + 68.64億円
= 117.53億円 + 68.64億円
= 186.17億円
総合営業利益(2021年4Q)
= マスク抜き売上高(2021年4Q) × 例年平均営業利益率(4Q) + マスク単体営業利益
= 117.53億円 × -1.0% + 14.1億円
= -1.18億円 + 14.1億円
= 12.92億円
2021年通期売上高
642.36億円
2021年通期営業利益
31.35億円
上方修正の数字は、既存のアパレル事業が相当足を引っ張ってもまぁ余裕で達成出来そうな数字ですね
全然上振れてもおかしくないと思います。
株価評価
上方修正によってEPSは259.1円に跳ね上がった。
上方修正前PER:19.68倍
上方修正後PER:3.11倍
残り半年かけてPERが元の水準20倍まで戻ると仮定すると、
現在、805円の株価は5,182円ぐらいまで評価されてもおかしくない。
懸念点としては、
ファッションマスクをマネする企業が出てくると思うので、ある程度は特需的な業績と踏んだほうがいいと思う。
それを踏まえてもPER15倍ぐらいまでは評価されてもいいと思うので、株価3,886円までは半年で上がってほしい。
まだ上振れると思うので期待値はまだ上ですけど、過度の期待は厳禁ということで
現在株価よりプラス383%値幅期待値アリ
まとめ
コロナ影響が明けてもファッションマスク需要は今後も増えるとは思うが、それに伴って競合もドンドン増えてくると思います。
また、既存のアパレル事業の業績はハッキリ言って魅力的ではありません。
長期保有するような銘柄では無いですが、コロナ過で新たな需要を切り開いたという先行アドバンテージがあるので、短期的に値幅を狙うにはうってつけの銘柄だと思います。
ソッコー買いに向かったけど中々約定せず(泣)
3日目でようやく約定。短期の値動きは私の実力じゃ読めないですけど、放置しとけば株価は業績に収束するでしょうということでテクニカルについてはあまり考えず買いました。
どうでもいいけどパステルマスクのモデルさん
女優の黒島結菜さんに似てめっちゃ美人
そしてマスク似合う人って1~2割ぐらい上方補正かかりますよね笑
ご注意
当ブログに記載されている内容は、あくまで個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また、情報の正確性・有効性についても保証致しかねません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。株式売買は自己責任に基づいてご判断下さい。