ファンダ分析 投資手法

ストック型ビジネスとフロー型ビジネスの見分け方

ストック型ビジネスとフロー型ビジネスを見分ける為に、私が実際に用いている手法を紹介します。
ビジネス形態によって業績の比較方法が変わってきます。
業績を判断する上で、ビジネス形態というのは重要な要素の一つです。

結論

  • 決算説明資料
  • 決算短信
  • 企業HPのサービス内容

これら3つの材料を確認すればほぼビジネス形態を判別出来ます。
決算説明資料に力を入れているような企業の場合は、決算説明資料の確認だけで判別出来ることもあります。
無い場合は、決算短信の事業別業績数値を見て以下同様の手順で確認します。


本題に入る前に、
下の四半期業績、皆さんには良い業績に見えますか?それとも悪い業績に見えますか?
※ミンカブ(4436)の四半期業績です

パッと見良い業績に見えますね。
フロー型ビジネス比率が高い場合は良い業績と見ていいでしょう。

しかし、ストック型ビジネス比率の高い企業だったらどうでしょう?
そうなると、悪い業績になります。

「なんで?」と思った方は以降の記事を読み進めれば納得いくかと思います。
「そんなもん常識だろ」と思った方は、十分理解されてると思いますので、以降の記事内容は不要でしょう。

それでは本題に移ります。

ストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違い

ストック型ビジネス

特徴

仕組みやインフラ、定額サービスの提供、ライセンス料など、継続的に収益が入るビジネスモデル

事業例

  • サブスクリプション : アマゾンプライム、ネットフリックス
  • 教室型 : スポーツジム、学習塾、英会話塾
  • インフラ型 : 携帯電話、プロバイダー
  • 賃貸型 : マンション、アパート
  • ASP型 : 定額課金型アプリサービス

業績の特徴

仮に対前四半期比(QonQ)で、毎四半期決算ごとに +5.0%成長した場合、
こういった売上高推移になります。
対前年比(Yon)に直すと+20.5%程の成長率になります。
※オレンジ色が増収分

そして、例えば2020年4Qで全く成長できなかったとしても、
対前四半期比(QonQ)は+0.0%
対前年比(YonY)は+15.0%
になり、対前年比の考え方では成長しているように見えてしまいます。

フロー型ビジネス

特徴

単発契約による商品販売、サービス提供など、単発で収益が入るビジネスモデル

事業例

  • 小売り : スーバー、ドラッグストア、ホームセンター
  • 飲食店
  • 旅行 : ホテル、航空
  • ゲーム

業績の特徴

仮に対前年比(YonY)で、毎四半期決算ごとに +20.0%成長した場合、
こういった売上高推移になります。
※オレンジ色が増収分

見分け方

複数の事業を手掛ける企業の場合、
決算説明資料の中にセグメント別業績を記載してくれていることがあります。

以前記事にしたアズームを例に見てみます。

アズーム(3496) 銘柄分析-2020年3Q決算

セグメント別売上高確認

上図の赤枠部分の数字を参照します。
それぞれの売上高比率は
遊休不動産活用事業売上高比率
= 遊休不動産活用事業売上高 ÷ 合計売上高 × 100
= 2,699 ÷ 2,748 × 100
= 98.2%

ビジュアライゼーション事業売上高比率
= ビジュアライゼーション事業売上高 ÷ 合計売上高 × 100
= 49 ÷ 2,748 × 100
= 1.78%

となります。

セグメント別ビジネス形態確認

次に、遊休不動産活用事業とビジュアライゼーション事業それぞれのストック型事業比率とフロー型事業比率を見ていきます。

遊休不動産活用事業
資料を読み進めていくと事業構成紹介がありました。
ストックビジネスが85.2%を占めているので、先ほど計算した比率をさらに分解します。
遊休不動産活用事業ストック比
= 遊休不動産活用事業売上高比率 × ストックビジネス比率
= 98.2% × 85.2%
= 83.7%

ビジュアライゼーション事業
連結子会社の株式会社CGworksの事業と記載有。
CGworksの企業HPを見て、サービス内容を確認した限り、商業施設や建築向けにCGパース制作がメイン事業のようだ。
IR資料はないので、この部分は推察するしかないが、受注形式と思われるのでフロー型と推察する。

最終的な全体比率は、
ストック型ビジネス比 = 83.7%
フロー型ビジネス比 = 16.3%

となります。

業績比較方法

詳細に見ようと思ったら、セグメント別に比較方法を分けるべきですが、
今回は簡易的な方法の紹介
企業全体の事業比率が多い方で、下記の比較方法に分岐すれば大雑把に比較ができます。

四半期決算の比較方法

フロー型ビジネス


それぞれの業績比較は対前年比(YonY)で大丈夫です。
株探は対前年比(YonY)表示なので、業績成長比率数字をそのまま見ればいいです。

ストック型ビジネス


それぞれの業績比較は対前四半期(QonQ)で見ます。
株探は対前年比(YonY)表示なので、自分で計算しなおす必要があります。

売上高成長率を見てみましょう。
直近四半期売上高成長率
= ( 直近四半期売上高 - 前四半期売上高 ) ÷ 前四半期売上高 × 100
= ( 974 - 932 ) ÷ 932 × 100
= 4.5%

売上高成長率(QonQ)は +4.5% になります

冒頭の答え合わせ

さて、こちらは冒頭で皆様に問いかけたミンカブの四半期業績図と同じものです。
見え方が変わってきたのではないでしょうか?

この企業はストック型ビジネス比率の高い企業です。
となると業績比較方法は、対前四半期(QonQ)になります。
売上高成長率を見てみましょう。
直近四半期売上高成長率
= ( 直近四半期売上高 - 前四半期売上高 ) ÷ 前四半期売上高 × 100
= ( 823 - 1,067 ) ÷ 1,067 × 100
=
- 22.9%
となります。売上高の業績が悪化していますね。


売上高だけでなく、
他にも見るべきポイントはあるのですが、それら総合的な影響で、
決算発表日には高値2,335円つけていた株価は下落に転じ、株価は1,984円弱まで落ち込んでいます。

事業形態を確認せずに、対前年比(YonY)のみで業績判断することの危険性を理解してもらえたのではないでしょうか。

最後に

今回はアズームとミンカブを例にビジネス形態の確認と業績比較方法を紹介させて頂きました。
基本的には、同様の手順で他の企業も比較することが出来ます。

業績比較に関しては、セグメント別にストック型ビジネスとフロー型ビジネスに分解して業績比較した方がいいのですが、
いかんせん時間がかかるので、まずはパッと見の良し悪しを判断します。
その後、詳細を詰めていきたい場合は分解して業績比較する方法が効率良いと思います。

私はストック型ビジネスとフロー型ビジネスの違いをそもそも知らない状態で投資を始め、
正しい業績比較が出来ないまま損失がかさんでいました。
この視点で業績比較出来るようになってからは、私自身チャンスの機会判断が良くなったと実感しています。

最後になりましたが、ここまで記事を読み進めて下さりありがとうございます。
この記事が読者の皆様の助力になれば幸いです。

ご注意

当ブログに記載されている内容は、あくまで個人的見解に基づくものであり、特定銘柄への投資を推奨するものではありません。また、情報の正確性・有効性についても保証致しかねません。
当該情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切の責任を負いかねます。株式売買は自己責任に基づいてご判断下さい。

-ファンダ分析, 投資手法

© 2020 投資で少し楽に生きてみよう Powered by AFFINGER5